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VEGAは技術ラバーです。
ファニーなコピーの裏にある
確かな自信とテクノロジー

2023年12月28日

VEGAは技術ラバーです。ファニーなコピーの裏にある確かな自信とテクノロジー

卓球王国誌上に踊った宣伝文句
「技術ラバー」って何だ?

ヴェガシリーズは、XIOMラバーの看板商品として長年ユーザーから愛されている、言わずと知れたベストセラーだ。卓球王国24年2月号誌上では、そのヴェガシリーズの広告が改めて大々的に展開されたが、その中で、日本語としてはちょっと変化球的な表現に戸惑った読者もいたことだろう。

「ヴェガは技術ラバーです」――技術ラバーという耳慣れない単語のせいで妙なインパクトを感じるキャッチコピーだが、なかなかこれは核心を突いている。シリーズの誕生は2009年に遡るが、初期モデルの登場から一貫して、当時における最新のテクノロジーを搭載し続けてきたのが、ヴェガなのだ。

ヴェガの起源となったのは、ヨーロッパ、アジア、プロの3モデル。まず、ビジュアル的にセンセーショナルだったのが、漆黒の中にキラキラと光るラメが垣間見えるカーボスポンジだ。今でこそカラバリに富むラバースポンジだが、それまでのカラーは白系、オレンジ系が主流だったため、黒はひと際目を引いた。

そして、衝撃的だったのは見た目だけではなかった。

時代を変えたスピンテンション
驚異的なコスパで市場を席巻

当時の卓球界は、人体や環境に有害だったスピードグルーや補助剤の使用禁止を受け、いかにして外的なチューンナップを施さない状態で高性能を発揮できるラバーを作り出すかということに、各メーカーが注力していた時期だった。ヴェガは、その命題に対するXIOM渾身のアンサーとして登場した。

新開発のカーボスポンジから繰り出されるパフォーマンスは、ボールのつかみ・飛び・伸び・回転量といった性能面で、従前のテンションラバーを完全に超越していた。ソリッドなタッチで強烈なスピンを作り出せるプロ、ややハードでスピードの乗ったドライブを打てるアジア。そして、一番人気はヨーロッパだった。

深いインパクトでボールを包み込み、確実なスピンとコントロールでミスなくラリーを続けられるヴェガヨーロッパは、特に初中級者から圧倒的な支持を得て爆発的にヒット。スピードが出るだけ、音が鳴るだけといった旧式テンションラバーとは一線を画すヴェガシリーズの高性能に、誰もが夢中になった。

また、時代を変えたスピンテンションラバーとしては、同時期にテナジー(バタフライ)、ファスタークG-1(ニッタク)、ラクザ7(ヤサカ)、ヘキサー(アンドロ)などが続々リリースされていたが、ヴェガのアドバンテージはその価格にあった。他の商品が軒並み5000円オーバーだったのに対し、ヴェガシリーズは3000円台でリリースされたのだ。

高性能と驚異的なコストパフォーマンスにより、ヴェガはラバー市場を席巻。新興ブランドだったXIOMのプレゼンスを爆上げすることに成功し、一世を風靡した。

プラボールに対する技術革新
スノータイヤに着目したDF

ヴェガシリーズの次なる「技術ラバー」としての革新は、2014年のダイナミックフリクション(DF)テクノロジーだった。きっかけはプラスチックボールの導入。旧来のセルロイド球より滑りやすく、回転がかかりにくくなったプラボールに対するアプローチをどうするかが問題となった。

ここでXIOM開発陣は思い切った策に出る。卓球とは直接関係のない自動車のスノータイヤ技術にヒントを求め、プラボールを確実にグリップする方法を編み出したのだ。滑り知らずのトップシートと超良好なレスポンスを発揮するスポンジのハーモニー、それがDFテクノロジーである。

ヴェガヨーロッパDF、ヴェガアジアDFの2アイテムはそれぞれ元祖モデルよりスポンジ硬度を落として抜群にディープなつかみを実現。スリップしないトップシートとの相乗効果で、プラボール時代でもセルロイド時代を上回るほどの快適なボールタッチとスピンショットを生み出すことに成功したのだ。

人知を超えたサイクロイド技術
そして、ヴェガはさらなる未来へ

2018年、XIOMのラバー開発は新しい領域に足を踏み入れた。それまで職人の経験や試打者のフィーリングに頼って設計していたラバーのひな型を、人工知能(AI)によるディープラーニングを基に組み立てるようシフトしたのだ。

ネットミスもオーバーミスもしない完璧なショットを生み出すラバー設計とはどういったものか。より相手コートの深くにボールを着地させるにはどのような原料をどう配合し、どのように焼き上げるべきか。それらのすべてを最先端マシンの緻密な演算によって弾き出した。この人知を超えたテクノロジーがサイクロイドだ。

そのサイクロイドテクノロジーから生まれた初のヴェガが、ヴェガツアーである。45度というミディアムソフトなスポンジから放たれているとは思えないほどの剛球が相手コートを驀進する強力兵器は、従来のヴェガのイメージを良い意味で裏切る怪作だった。

さらに翌2019年には初期モデルの誕生から10周年を記念すべく、ヴェガXをリリース。初代のエースモデルだったヴェガプロを正統進化させ、サイクロイドテクノロジーを搭載。巷のハイエンドラバーにも引けを取らないハイパワーな打球を創出する、シリーズ最高峰の傑作が生まれたのだ。

そして、時は2024年。まだタイトル以外の詳細は明らかにされていないが、ヴェガシリーズの歴史に新たな1ページが刻まれようとしている。ヴェガH PRO。鮮やかなグリーンのパッケージには微粘着の漢字が記されており、ヴェガ新時代に対する期待が、否が応にも高まってしまう。

こんなにも長く用具フリークを楽しませ続けているシリーズも珍しいが、新作が出るとなれば、また注目が集まるのは間違いないだろう。技術ラバー・ヴェガの進撃は、まだまだ止まりそうにない。

XIOM広告の一部。VEGA H PROのティザーだ