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「正直に言えば、バタフライが『グレイザー』を発売した時にアライアンスを考えました」フィリップ・キムXIOM CEO

2024年07月24日

「正直に言えば、バタフライが『グレイザー』を発売した時にアライアンスを考えました」フィリップ・キムXIOM CEO

VICTASとXIOMがアライアンス契約

2007年からXIOM(本社・韓国)は当時のヤマト卓球(現VICTAS)を総代理店として日本市場に参入。2019年からは代理店契約を終え、独自で販売を行っていた。
7月17日にVICTASとXIOMはアライアンス(提携・同盟)契約を結び、再び一部のXIOM商品をVICTASが販売することになった。
フィリップ・キムXIOM CEOと松下浩二VICTAS社長のインタビューを紹介しよう。
「今回のイメージカットのテーマは『花と剣』だ」とフィリップ・キムは語った。花のような美しきアライアンス(同盟)でありながら、剣のような鋭利で怖い武器を持つという意味だろうか。
<インタビュー=今野昇>

●-2007年、ヤマト卓球(現VICTAS)時代にXIOMの日本代理店で、その後、XIOMは独自の販売を始めました。いつ頃からこの再提携のアイデアが出てきたのでしょう?

松下浩二VICTAS社長(以下松下) 2020年10月にVICTASに戻ってきました。その時は新型コロナ感染拡大の時期で会社の売上も落ちている時でした。なんとかしなきゃいけないと。

●-VICTAS(旧ヤマト卓球)がXIOMの代理店を終えたのは?

フィリップ・キムXIOM CEO(以下PK) 2019年10月から独自に販売してました。

松下 ぼくが社長に戻ってきた時から「XIOMとまた一緒に仕事をやりたい」と思ってました。でもコロナ禍で動けなかった。2022年春くらいから具体的に考えました。自分が戻って3年くらいやれば、売上も戻るかなと思っていましたが、戻らなかった。自分がいた時にあったXIOMもなくなり、TSPもVICTASに切り替わっていて、様子を見てました。その後、戻らない売上を見ながら、またXIOMと一緒になり、利益を出しながら社会にそれを還元したいと思っていたのです。22年夏くらいから、2年ほど前から一緒に組もうと考えていました。

VICTASひとつではイノベーション(改革)を起こせない。たとえば、独自で卓球センターを作って選手育成するとか、大きなイベントをやって卓球界に還元するとかできない。それに一番になりたい、今でもなりたい。チャンピオンになるのは好きだけど(笑)、VICTASだけではなれない。でもXIOMと組んだらそれも可能になります。なぜならXIOMはラバーが強い、VICTASは営業力がある。お互いにないものをお互いが持っているからです。選手にとって選択肢がたくさん増えるのは良い。一緒になれぼくらが目指すべきところに行けると思いました。シナジー効果は大いにあります。

●-フィリップ、このアライアンス(提携・同盟)の話はいつ聞いて、最初どのように感じましたか?

PK 話を聞いたと言うよりも、正直に言えば、去年の春、バタフライが『グレイザー』を発売した時にアライアンスを考えました。その前に『ロゼナ』が発売されていました。『ヴェガ』は世界的にヒットしているラバーですが、『ロゼナ』によって価格を下げたバタフライのラバーが発売され、そこに新しい戦略が見えたのです。そして、『グレイザー』が発売された時に、その狙いは明確になりました。バタフライは『テナジー』より下の価格帯のラバーのシェアを獲りに来ていると。そこは真剣に考えました。

その価格帯はXIOMの強いところだったのに『グレイザー』が発売されたので、次の手を考えました。通常、一度別れたパートナーと再び一緒にやるのは難しいものです。利益だけを考えれば、独立した形で販売するのは売上が落ちたとしても問題なかったけど、『ロゼナ』『グレイザー』が来たことで、前が見えなくなりました。それで昨年の9月くらいからずっと考えていました。

 偶然ですが、4月に私が浩二にメールした同じ日に、彼も私にメールを送っていて、お互い「一緒にやろう」という内容でした。

 私にとってアライアンスの理由はバタフライでした。私は戦略を変える必要があったのです。

●-お互いのメールが同じ日というのは運命的ですね。今回の形はアライアンスですか、アグリーメント(合意)ですか? 以前は代理店契約でしたね。

PK アライアンスという言葉が適切ですね。以前はこちから商品を供給して販売してもらうという形でしたが、今後はお互いがシナジー効果を発揮させていきたい。

右がVICTASの松下浩二社長、左がXIOMのフィリップ・キムCEO