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発売開始の『ジキル&ハイド C55.0』を試打!
「台から下がった時にラバーの粘着が手助けをしてくれる」
(永安)

2024年10月21日

発売開始の『ジキル&ハイド C55.0』を試打!「台から下がった時にラバーの粘着が手助けをしてくれる」(永安)

『ジキル&ハイド C55.0』の試打!
唐橋卓球のラバーソムリエ、
成冨晃司さんと永安紀一さんに聞きました!

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「このラバーは明らかに長所を伸ばすためのラバーです」(成冨)

唐橋卓球でも指折りのテスターと呼ばれる成冨晃司さんと永安紀一さんに、XIOMから発売された『ジキル&ハイド C55.0(以下、『C55』)』を試打してもらった。『C55』はパリ五輪男子シングルス4位のウーゴ・カルデラノ(ブラジル)が現在使用しているラバーだ。

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●ー予定より早く発売された『ジキル&ハイド C55.0』、打ってみていかがでしたか?

成冨晃司(以下、成冨) ラバー表面のシートの粘着感がかなり強く、ボールが本当にくっついて持ち上がるような粘着感でした。それだけ粘着力のあるラバーだと、ラバーにペタッとボールがくっついて、ミート系の技術がやりにくいのではないかと最初はすごく気になっていました。

 しかし、実際に試打したところ、思っていたよりも球離れが早く、当てた時に意外とボールを持たずに離してくれるので、ミートもテンションラバーと同じようなイメージでできました。それでいて、擦った時にはボールが持ち上がるくらい粘着感があるので、粘着らしい弾道で、弧線も描けるし回転もかかりました。

●ー回転もかかるのに、ミートもできる。少し矛盾していますね?

成冨 はい。かなり不思議なラバーですね。

●ー今まで使った粘着ラバーにはない感触ですか?

成冨 ないですね。下回転のボールを打った時にループドライブの場合は予想通りしっかりと回転がかかって、ボールも持ち上がって弧線も出ました。そこはすごくイメージ通りだったんですけど、スピードドライブを打った時は今までにない感触でした。

 ぼくは、スピードドライブを打つ時はかなり強くインパクトするタイプなのですが、普段はぶつけて打つと回転がかかり切らずに直線的な弾道でオーバーすることが多い。でも、『C55』はぶつけて打ってもラバーが回転をかけてくれているので、自分としては思いっきりぶつけて打っているイメージですけど、最後は台に収まってくれる。ボールが高くても低くても、同じイメージのスイング、ぶつけ方で全部入ってくれるんです。

ラバーの試打感想をわかりやすく説明してくれる成冨さん

●ー良いコメントばかりですね(笑)。

成冨 強(し)いて言うなら、くっつくことと硬いこと。「55度」で硬さは十分あります。ワンコースで今これだけ性能が出せていますが、たとえば試合で飛びついたり、回り込んでつまったりしてしっかり振れなかった時は、おそらくそんなに勝手にボールを飛ばしてくれるラバーではないと思います。技術というよりかは、ある程度「フィジカルが強い人」が使ったほうがより性能を生かし切れるかなとは思いますね。

●ー今、頭の中にカルデラノが浮かんできました(笑)。

成冨 まさに(笑)。思い切りフルスイングでも全部入ると思うんです。フィジカルが強い人が使うときっと最強ですね。

●ー「ジキル&ハイド」シリーズは種類がかなり豊富ですけど、XIOMのラバーの中でも今回の『C55』はひとつ超えた感じはありますか?値段は超えていますけど、値段以上の価値がこのラバーにはあると感じますか?

成冨 間違いなくあると思います。今まであったものとは一線を画しているような印象はたしかにありますね。ぼくは良いことばかり言っているんですけど、これをバックで使えるかと言われると、どうやっても無理ですね。

●ー「バックは無理」とはどういうことでしょう?

成冨 ぼくはもともとオールフォアなプレースタイルだったので、フォアはある程度振り抜いけるし、自信を持っている技術なんですけど、バックは自信がない。振り遅れてしまったり、打点がズレてしまったり。そうなった時にはおそらくラバーが硬いので十分に食い込ませられずにネットミスしたり、スイングがつまってオーバミスしたりする。そういうミスは非常に出やすいと思います。

●ー「自分の力で打ちたい」という人向けのラバーという感じですか?

成冨 ぼくはそう思います。ペンドラの選手や、動いてフォアを振る選手にはすごく好まれるラバーかなと思いますね。

●ー逆にバックで良いタッチをしていた永安さんはどうでしたか?

永安紀一(以下、永安) ぼくは、プレースタイルは成冨と正反対なんですけど、ぼく個人としてはフォアよりもバックのほうが扱えると感じました。というのも、台から下がって打った時にしっかりボールを持ち上げてくれる。前で振った際にはしっかり回転がかかるので、オーバーミスが多く出ました。

バック面で使用した際の好感触を語ってくれた永安さん

●ーふたりの試打を見ていて、ボールがかなり上に上がるラバーだと思いました。

成冨 かなり上がりますね。

●ーそれが場合によってはオーバーミスを誘う感じがあるということですか?

永安 そうですね。ただ、ちょっと台から下がった時には、逆にラバーの粘着が手助けをしてくれる感じはありました。

●ー今の話だと、自分の主戦がフォアであってもバックであっても、自分の力でコントロールできるほうの面に貼ったほうがより性能を引き出せるということですか?

成冨 そうですね。

 ほかのラバーは、「苦手を補うための選択肢」としてどんどん候補に入れていいラバーだと思うんです。このラバーは明らかに「長所を伸ばすためのラバー」です。苦手なほうに貼ったら悪化するかもしれないですけど(笑)。

●ーサービスなどの技術では使ってみてどうでしたか?

成冨 やりやすかったですね。ラバーの表面がベタベタすぎて、ボールがラケットにくっつくラバーは逆に回転がかけずらいんですけど、これはすごく出しやすかった。シートが少し軟らかいのかな。滑る感じはなかったです。それが粘着感でくっついているというよりかは、シートに食い込んでいる感じがあったので、それがすごく好きでしたね。

<取材=卓球王国>

[なるとみ・こうじ]
千葉県出身、千葉経済大附属高校、國學院大學卓球部、唐橋卓球入社6年目

[ながやす・きいち]
神奈川県出身、湘南工大附属高校、専修大学卓球部、唐橋卓球入社3年目

ジキル&ハイド C55.0

¥ 11,000(税込)
誰もが絶賛する微粘着テンションラバー
ウーゴ・カルデラノ(10月世界ランキング6位)使用
2024年11月発売予定