
2025年06月27日
2025年3月、XIOMから新しいラバーラインナップ『オメガⅧ』シリーズが投入された。位置づけとしては、ハイエンドラバーである『ジキル&ハイド』シリーズの弟分という形になり、軽量化や操作性の向上が図られている。
今回はその中から『オメガⅧ チャイナ』の特徴について、試打レビューを交えた形で紹介していこう。
『オメガⅧ チャイナ』は、チャイナの名称からわかるとおり、中国ラバーを意識した作りになっている。トップシートは、やや厚めのトップレイヤー(表層部)と低い粒が特徴的な構造で、強めに打球すると「バチン!」という中国ラバーっぽさを感じる打球音と感触がある。
トップシート全体が薄めで軟らかいため、ハードヒット時にはボールをスポンジでダイレクトにとらえているような感覚があり、そのスポンジが52.5度という高硬度であることから、そうした打球音と手応えが得られる仕組みとなっているようだ。このあたりは、非常にうまく「チャイナ」を再現できていると感心させられる。
シート表面には微粘着性があり、サービスやツッツキの切れ味はかなり良好。ドライブ時にもボールをしっかりとグリップしてくれるので、ミスヒットを気にせず思い切ってラケットを振ることができる。カウンターでも問題なく相手ボールをつかまえることができ、非常に信頼性は高い。
下回転のボールをドライブした時には「上がりやすさ」が非常に強く感じられた。シート表面で擦り上げてもOKだし、前にスイングして深めのインパクトで打っても上がる。ツッツキ打ちに不安を抱えているような選手には、ぜひ試してもらいたいラバーだ。
ラバー重量が軽め(試打サンプルはMAXでカット後50g)なので、非力な選手やジュニア・レディースの方などでも安心して使うことができる。「最近流行りの粘着・微粘着ラバーってやつを試してみたいけどパワーに自信がないな」……と思っているような人には、ベストマッチの1枚ではないかと思う。
問題があるとすれば、ボールが「暴れやすい」点。特に強打時には「思ったより上に飛ぶ」という感覚があるため、オーバーミスには気をつけたい。基本的には扱いやすさと威力のバランスが非常に良く、幅広いレベルの選手が使って満足できる優良ラバーだと感じられた。(文・試打:卓球王国編集部 小川勇気)
オメガⅧチャイナ
¥ 9,680(税込)
厚さ:1.9、MAX
スポンジ硬度:52.5度