
2025年07月14日
2025年3月にXIOMから登場した新しいラバーラインナップ『オメガⅧ』シリーズ。同ブランドのハイエンドラバー『ジキル&ハイド』シリーズの弟分と位置づけられ、軽量化や操作性の向上が図られている。
今回、紹介するのは『オメガⅧ ハイブリッド』。どのような魅力を持ったラバーなのか、試打レビューを交えた形で紹介していこう。
『オメガⅧ ハイブリッド』の「ハイブリッド」とは、中国ラバーとドイツラバーの混合型という意味合いが込められている。シートのトッププレイヤー(表層部)はかなり厚くなっていて、構造的には本格的な中国式の粘着ラバーとよく似ているように見える。
ところが、打ってみると意外なほど打球感はマイルドだ。シート表面にはかすかな粘着性が感じられるが、それほど強いものではなく、ボールが「くっつく」というよりは「包みこまれる」といったフィーリングがある。シート全体の軟らかさと、少し高い構造の粒が、そうしたソフトな感触を生んでいるようだ。
しかし、スポンジは硬度52.5度とハードなため、インパクトを一定以上に強くして打った時には確かな手応えと球威が感じられる。通常のプレーではドイツラバーらしい扱いやすさがありながら、決定打を放ちたい時には中国ラバーのような強靭さが顔をのぞかせる、というバランスになっている。
通常のスイングスピードでボールをとらえると、非常に安定した軌道のドライブがいつまでもノーミスで打ち続けられるような印象。威力に関しては「並」で、相手に圧力をかけられるようなボールがオートマチックに出てくれるラバーではない。
ただ、特筆すべきはボールをとらえ損ねることがほとんどないという安心感。相手のドライブに対しての前陣カウンターや、打球点を低く落としてしまった時のループドライブ、中陣に下がってのドライブの引き合いなどでは、「おお、これもミスしないで済んだか」というくらい、頼りがいがあった。
サービスの切れ味や台上でのボールコントロールも文句なしに良い。バリバリに威力を出したいという人には勧めないが、ミスで試合を壊したくない正確性重視のプレーヤーにはかなりおすすめだ。相手ボールを吸収する感覚もあるため、カットマンが使ってもおもしろいと思われる。(文・試打:卓球王国編集部 小川勇気)
オメガⅧ ハイブリッド
¥ 7,920(税込)
厚さ:1.9、MAX
スポンジ硬度:52.5度